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第2回金属加工のプロが教える!技術とノウハウ徹底ガイド

皆さんこんにちは!
京都技研株式会社、更新担当の中西です。

シリーズ「金属加工のプロが教える!技術とノウハウ徹底ガイド」第2回をお届けします。
前回は「金属加工の全体像と工程フロー」をご紹介しましたが、今回は「素材選びの基礎知識――鉄・ステンレス・アルミ・銅の特徴と用途別選定ポイント」をテーマに、金属素材の特性比較と、加工現場での最適な素材選定方法を詳しく解説します。素材選定はコスト、加工性、耐久性、機能性に直結する重要なステップですので、ぜひ参考にしてください。


1.鉄(軟鋼・高張力鋼)の特徴と選定ポイント

1-1. 軟鋼(SS400など)

  • 特性

    • 引張強度:約400~500MPa

    • 可塑性・溶接性に優れ、板金・製缶・溶接加工で多用

    • コストが最も低く、汎用性が高い

  • メリット

    • 大口径・大厚板でも入手性良好

    • 溶接歪みが少なく、溶接作業が容易

  • デメリット

    • 耐食性が低く、防錆処理(塗装・めっき)が必須

    • 高温環境下では強度低下

  • 選定ポイント
    建築部材、機械フレーム、構造部品など、コスト優先かつ防錆処理が可能な用途に最適。

1-2. 高張力鋼(HSS)

  • 特性

    • 引張強度:600MPa以上(種類により800~980MPaも)

    • 軟鋼比で薄肉化による軽量化が可能

  • メリット

    • 軽量化と高強度化の両立

    • 車両部品や高荷重構造部材に最適

  • デメリット

    • 溶接性や成形性が軟鋼より劣る場合がある

    • 材料費が高め

  • 選定ポイント
    自動車部品、産業機械フレーム、耐荷重が厳しい構造部材などで採用。


2.ステンレス鋼(SUS304・SUS316など)の特徴と選定ポイント

2-1. SUS304

  • 特性

    • 引張強度:約520MPa、耐食性・耐熱性に優れる

    • 一般産業機器・食品機器・建築装飾に多用

  • メリット

    • 優れた耐食性で錆びにくい

    • 衛生的で洗浄性が高く、食品・医療分野に適合

  • デメリット

    • 材料コストが軟鋼比で約3~4倍

    • 切削・穴あけ時の工具摩耗が大きい

  • 選定ポイント
    食品製造ライン、医療機器、厨房設備、屋外建築装飾など、耐食性・衛生性が必須の用途に最適。

2-2. SUS316

  • 特性

    • 引張強度:約515MPa、モリブデン添加で海水・薬品に強い

  • メリット

    • 海洋環境や化学プラントで優れた耐食性

  • デメリット

    • SUS304よりさらに高価

  • 選定ポイント
    海洋機器、化学プラント配管、厳しい耐食環境下の部品に最適。


3.アルミニウム合金(A5052・A6061など)の特徴と選定ポイント

3-1. A5052(耐食性重視型)

  • 特性

    • 引張強度:約200~240MPa、耐食性が高い

    • 曲げ加工性・溶接性が良好

  • メリット

    • 軽量で腐食に強く、船舶・屋外構造物に適合

    • 表面仕上げ性が高い

  • デメリット

    • 強度が鉄の半分以下

  • 選定ポイント
    船舶部品、屋外看板、軽量構造物、装飾パネルに最適。

3-2. A6061(汎用構造用)

  • 特性

    • 引張強度:約310MPa、熱処理で強度向上可

    • 切削性・耐力に優れる

  • メリット

    • 機械構造部品、フレーム、サッシ材など幅広く使用

  • デメリット

    • 溶接後の強度低下に注意が必要(溶接部はT6硬化処理が不可)

  • 選定ポイント
    機械フレーム、構造部材、輸送機器部品などで採用。


4.銅・銅合金(C1100・C3604など)の特徴と選定ポイント

4-1. C1100(純銅)

  • 特性

    • 引張強度:約210MPa、電気・熱伝導性が最高レベル

    • 柔らかく加工性が良好

  • メリット

    • 電気・熱伝導部品、装飾部材、伝導性を活かした用途に最適

  • デメリット

    • 機械的強度が低く、耐摩耗性に劣る

  • 選定ポイント
    電極、ヒートシンク、装飾パネル、建築装飾に適用。

4-2. C3604(リン青銅)

  • 特性

    • 引張強度:約350MPa、耐摩耗性・耐食性・スプリング性に優れる

  • メリット

    • バネ・ギア・摺動部品に最適

  • デメリット

    • 純銅より高価

  • 選定ポイント
    バネ、摺動軸受、歯車、電気接点に使用。


5.素材選定のためのチェックリスト

 

項目 質問例 選定のポイント
耐食性 腐食環境か?水・薬品・海水にさらされるか? SUS304/SUS316、アルミ、銅合金
強度 荷重・応力はどれくらいか? 軟鋼・高張力鋼、アルミ合金
加工性 切削・板金・溶接のしやすさは? 軟鋼、アルミ、C3604など
コスト 材料費・加工費をトータルで抑えたいか? 軟鋼・PVC、A5052、C1100
重量 軽量化が必要か? アルミ、銅
導電性・熱伝導性 電気・熱を伝える部品か? C1100、アルミ
表面仕上げ 意匠性や塗装、メッキの必要性は? SUS、アルミ、銅

6.まとめ

金属素材の選定は、製品の性能とコスト、加工性に大きく影響します。鉄、ステンレス、アルミ、銅の特性を正しく理解し、用途や環境条件に応じて最適な素材を選定することが、製品品質と生産効率を高める第一歩です。本記事で紹介したチェックリストを活用し、素材選びにお役立てください。


次回予告

第3回では「切削加工入門:フライス・旋盤・マシニングセンタ―の使い分けと工具選定」をお届けします。加工機の特徴や工具選定のポイント、切削条件最適化のノウハウを詳しく解説しますので、ぜひご期待ください!


京都技研株式会社は、金属加工のあらゆるニーズにワンストップで対応し、お客様の製品価値向上とコスト最適化をサポートします。本シリーズを通じて、金属加工の知識とノウハウをぜひお役立てください。
次回もお楽しみに!